西村経済再生担当大臣記者会見要旨


令和元年11月12日(火)18:26~18:32
於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室

1.冒頭発言

 本日、未来投資会議を開催し、成長戦略の策定に向けて、前回に引き続き、各論を議論しました。
 議論の結果は、以下の通りであります。

 まず、デジタル市場の新たなルール整備についてです。
 インターネット上で取引する、大規模なオンラインモールやアプリストアについては、出店手数料などの一方的変更や自社の商品の優先的な表示などの問題が指摘されております。新たな法律においては、取引を拒絶した理由の開示など取引の透明化を求めていく方針であります。この際、イノベーションを阻害しない形で、可能な限り、自主性を尊重したルールとしたいと考えております。
 また、個人情報保護のあり方については、事業者に対して、個人情報に対する削除要請などの問合せがございます。個人が個人情報の消去や利用停止の請求を事業者に求める権利を拡大するとともに、他方、イノベーションを促進する観点から、データの利活用方法の柔軟化を検討し、また、外国事業者に対する法律の適用について、検討いたします。
 さらに、急拡大するデジタル広告市場は、独占度が高くなっている懸念があり、その競争状況の評価を開始いたします。
 総理からは、関係の法制整備について、デジタル市場競争本部において、年内に具体的な結論を得て、早期に法案の提出を行うよう指示がございました。

 次に、金融分野の法制の見直しについてです。
 決済について、銀行以外の事業者による送金を、金額によらず認める規制緩和を、一定の条件の下で行います。また、少額の送金については、利便性の確保のため、さらに要件緩和を行います。
 さらに、金融サービスの仲介については、現行法では、銀行、証券、保険といった分野ごとに許可・登録を受ける必要があり、多様な商品を取りそろえることが困難であります。このため、全ての分野の商品を扱えるようにする規制緩和を実施することで、スマホ上で金利や手数料を比較しながら、自分に合った商品を選択出来るようにしたいと考えます。
 総理からは、麻生金融担当大臣を中心に、年内に具体的な検討を進め、早期に法案の提出を行うよう指示がございました。


2.質疑応答

(問) 今朝のデジタル市場競争会議ヒアリング会合において、アマゾンなどがオンライン事業者のみに規制をかけることに対して懸念を示したようだが、大臣の受けとめと、こうした懸念への対応を伺いたい。

(答) デジタル・プラットフォーマーに対する規制について、本日、デジタル市場競争本部の場で、官房長官をヘッドに、私や有識者も参加して、デジタル市場の新たなルール整備に向け、GAFA4社からヒアリングを行ったところであります。
 ヒアリングを行った4社の方々からは、いずれも透明性確保の目的や重要性については我々と共通した認識を持っていることが示されたと理解をしております。他方、アマゾンからオンラインのみを規制することへの懸念が示されるなど、制度設計に関する意見もいただきました。
 公正取引委員会による実態調査では、オンラインモール及びアプリストアについては、出店手数料の引き上げなどの規約の一方的変更や、検索について恣意的に順位を決めているといった懸念がございます。そういた苦情・クレームが多いということでございます。
 デジタル・プラットフォーマーがそのようなことは行っていないということであれば、むしろ取引透明化法を制定し、一定のルールに基づいて取引条件の開示を行うこととした方がプラットフォーマー側の利益にもなるのではないかと考えております。
 いずれにしましても、こういった点も含め、引き続き、プラットフォーマー側とはよく意見交換を行い、意図を理解して頂きつつ、法案の内容を年内にとりまとめ、通常国会に向けた法案の提出を図っていきたいと考えております。


(以上)