全国市長会議

平成30年6月6日
祝辞を述べる安倍総理 祝辞を述べる安倍総理
祝辞を述べる安倍総理

 平成30年6月6日、安倍総理は、都内で開催された全国市長会創立120周年記念・第88回全国市長会議(通常総会)に出席しました。

 総理は、祝辞の中で次のように述べました。

「第88回全国市長会議が本日盛大に開催されますことを心からお慶(よろこ)び申し上げます。
 ただ今、松浦会長からいつもどおり思い切った御挨拶がございました。大変、市長会会長として御苦労いただいたこと、総理大臣として感謝申し上げる次第でございます。本当に御苦労様でございました。
 市長の皆様におかれましては、日頃から地方自治の最前線で地域社会の発展や住民福祉の向上のため、御尽力されていることに心から敬意を表します。
 地方の活力なくして、日本の活力なし。地方の未来なくして日本の未来はない。これは安倍内閣の基本方針です。安倍内閣の経済政策、いわゆるアベノミクスはこの5年、3本の矢の政策で挑戦を続けてきました。
 経済は11パーセント以上成長し過去最高となり、国・地方の税収も24兆円以上増加しました。有効求人倍率は47全ての都道府県で史上初めて1倍を超え、この春の高校卒業者の就職率も98.1パーセントと27年ぶりの高い水準となりました。正社員の有効求人倍率も1倍を超え正社員への転換が加速しています。
 地域の皆様が守り育んでこられた豊かな自然、固有の歴史や文化、地域の特色ある農林水産物、食品など多くの魅力は海外にも知れわたるようになり、外国人観光客数は5年連続で過去最高を更新し3倍以上の2,800万人を超えました。
 その経済効果は地域の様々な取組によって着実に世界各地に、全国各地に広がり始めています。
 弘前(ひろさき)市の弘前公園では専用の眼鏡を着装してもらい、桜や雪など季節により表情を変える弘前城の光景を楽しんでもらう外国人向けの多言語ガイドツアーが人気を博しています。
 高松市の丸亀町商店街では、瀬戸内国際芸術祭などをきっかけに増加した外国人観光客の皆さんがスマートフォンアプリを使って消費税の免税手続きをスムーズに済ませ、快適に買物を楽しんでいます。驚くべきことに香川県では外国人観光客の宿泊者数がこの5年でなんと10倍を超えました。2012年は4万3,000人だったものが2017年、昨年、45万人になったということであります。
 私の地元、長門(ながと)市には元乃隅(もとのすみ)稲荷神社という小さな神社がございまして、日本海に向かってずっと赤い鳥居が続いていく、大体1年間に数百人しか訪れる人がいなかった神社でございました。その神社がCNNで紹介されまして、インスタ映えする、これで評判になって昨年はなんと100万人が訪れたわけでございまして、お賽銭(さいせん)箱には25か国のコインが入っていて神主さんもびっくりしたそうでありました。
 つまり、買物中心の旅からそこにしかない風景、そこでしかできない経験、体験型に変わりつつあるわけです。これは正に地方にとっても私は大きなチャンスではないかとこう思う次第でございます。
 地方のやる気と熱意、そして皆さんのリーダーシップが魅力ある地域をつくる。地方こそが成長の主役であります。
 安倍内閣は引き続き、地方の声に徹底して耳を傾けるという姿勢で全国の都市の皆様の意欲的なチャレンジを情報面、人材面、財政面から積極的に支援し地方創生を一層加速してまいります。
 そして本年は明治維新から150年となりますが、日本は今また急速な少子高齢化という国難に直面しています。この困難を突破し国民生活を更に豊かにすべく、生産性革命と人づくり革命を車の両輪として立ち向かっていく決意であります。
 地域に住んでいる皆様が、そしてその子供たちがその地域に夢や未来を託せるような、そういう日本をつくり上げる、そのため市長の皆様が今後ともそのお力を存分に発揮されますことを御期待申し上げますとともに、国が進める諸政策への御理解、御協力を改めてお願い申し上げます。
 結びに全国市長会のますますの御発展と本日御列席の皆様の一層の御活躍を祈念いたしまして、第88回全国市長会議開催に際しての御挨拶とさせていただきます。」

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