Global Startup EXPO 2025における石破内閣総理大臣挨拶

更新日:令和7年9月17日 総理の演説・記者会見など

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 内閣総理大臣、石破茂です。Global Startup EXPOの開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。世界中から社会課題を解決する技術・アイデアを持たれた1,500を超えるスタートアップ、ベンチャーキャピタルのリーダーの皆様方にお集まりをいただいております。誠にありがとうございます。
 1970年の万博って行った人います。1人もいない。若干10名ぐらいね。1970年ですから、いまから55年前、この大阪で万博がありました。私がその頃、鳥取の中学校の2年生でした。ディーゼル特急に乗って3回見に行きました。アメリカの「月の石」が見たかった。3時間並んで見た、ただの石だった。でも、あそこは本当にわくわくするような夢のような場所でした。日本がすごく元気だった。そして夢があった。楽しかった。
 それから55年たって、今回この関西万博が行われ、スタートアップの皆様方がお集まりであります。私はもう1回、日本の国がわくわくするような「元気な日本」にしたいなというふうに思っています。明治以来、日本は「強い日本」というのを目指してきました。歴史の時間に、富国強兵、殖産興業なんて、これ英語に訳すとすごい難しいと思うのだけど、富国強兵、殖産興業なんていう言葉で「強い日本」を目指してきました。今年は戦争が終わって80年なのだけれども、その後、戦後日本は「豊かな日本」というのを目指してきました。これから先、日本は何を目指すのか。「強い日本」、それは国家が主導したものでした。これから先、日本はもちろん「平和な日本」を目指しますが、「強い日本」を目指すというわけではないだろう。豊かさはある程度、享受をするに至った。だけどこれから先、我が国は「楽しい日本」と言っていけなければ、「幸せな日本」を目指していきたいと思っています。このスタートアップの皆様方が、是非是非、日本を「幸せな日本」にしてもらいたいと思っています。スタートアップとAI(人工知能)というのは、かなり密接に結び付いているのでしょうけれど、AIを使ってどれだけ楽しさ、あるいは幸せを目指すか。それを是非、皆様方につくっていただきたいなと私は思っています。
 今日はいろんなスタートアップの皆様、あるいはベンチャーキャピタルの皆様方がおいでであります。ああ、こんなのがあるんだね、こんな発想があるんだね、そういうことで、いろんな新しい発見があるのだろうと思います。これだったらば、投資してみようかな、そういう出会いもあるのだろうと思います。こういうものであれば、日本だけじゃなくて世界中に発信してみたいということもあるのだと思っています。スタートアップの6割は、東京以外で事業を始め、発展をさせておられます。日本はこの首都・東京に人がいっぱい集まる。大阪も頑張っているけれど、やっぱり首都一極集中みたいなところがあります。これをどうやって地方ににぎわいを作っていくか。そして農業であり、漁業であり、林業であり、それがスタートアップを使ってどういうふうな産業に変わっていくか。日本はまだまだ多くの潜在力を持っています。首都一極集中を変えていく。そして一つ一つの地方に幸せをもたらす。そういうようなスタートアップの機会になることを心から願っておるところであります。
 いろんなブースが出ていますね。「衛星使って確認だ」、これ結構面白い。あるいは衛星データとAIで農業がどう変わるか。まだまだ、この日本には無限の可能性があります。農林水産業であり、地方であり。しばらく日本は人口が減っていくのですが、その中にあって、にぎわい、幸せ、それをスタートアップの皆様方がもたらしてくださることを心から期待をいたしておるところでございます。
 55年前にいろんなものを見ました。最初、「月の石」のお話をいたしました。いろんなものがあった、ワクワクした。当時、三洋電機という会社があって、今はもうパナソニックになりましたがね。あそこが「人間洗濯機」というのを出していました。これは絶対売れるに違いないと思ったら、大して売れなかった。今回また、そのときに開発された方がもう1回と言ってチャレンジをしておられます。何度も何度もチャレンジをする。それを支える投資家がいる、そういうものが新しい日本をつくっていくのだろうなと、心から期待をする次第であります。皆様方の取組が、「幸せな日本」をつくること、そして「元気な日本」をつくることを心から祈念して、私の御挨拶といたします。よろしくお願いします。ありがとうございました。

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