戦後80年沖縄全戦没者追悼式等についての会見

更新日:令和7年6月23日 総理の演説・記者会見など

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(今日、戦没者追悼式典に出席した後、ひめゆりの塔などを視察したところ、視察の所感について、今年で戦後80年となるが、大戦をめぐる「談話」や総理個人の「見解」を表明する予定はあるか、何らかの見解を出すのであれば、歴史認識や自衛隊の在り方について言及する考えはあるか、また、かねてより、日米地位協定の見直しについて言及してきたが、(日米)地位協定の見直しを含め、在日米軍の駐留に伴う沖縄の負担の軽減をどのように進めていくか)

 戦没者追悼式典(戦後80年沖縄全戦没者追悼式)に出席をさせていただきました。式典自体、非常に厳粛なものだったと思っています。その後、このひめゆりの塔、あるいは平和祈念館(ひめゆり平和祈念資料館)を訪問させていただきました。私自身、防衛庁長官の頃ですから22年ほど前のことですが、ここに訪れて、非常に厳粛な、粛然たる思いにさせられました。今回、総理大臣として、この戦没者追悼式に合わせて、どうしてもこの場に来たかったというのは、私の強い思いであります。それはやはり、20数年前に見たときの、あの粛然たる思い、これをもう一度、自分の胸に刻まねばならないと思ったからであります。まだ若い女子学生たちが、命を落としていった。みんな生きたかった。みんな戦争は嫌だったが、傷ついた人たちのために、一生懸命看護をし、そして厳しい環境の中で、一生懸命その与えられた務めを果たして、そして、大勢の学友たちが傷つき、命を落としていった。それは、ここに来ないと分からないものだと思います。今、総理大臣として仕事をする中にあって、この不戦の思い、戦争の悲惨さ、国民保護法制を作る時に携わりましたが、その時も、この沖縄戦のことが頭にあった。それをもう一度、自分の胸に刻まねばならないという思いでここへ参りました。その思いは、今日ここを見ることによって、更に強くなったということであります。
 戦後80年の「談話」、あるいは「所感」、そういうことについて、今の時点で、何ら決まっているものではありませんが、歴代内閣が表明してきた歴史認識というものについて、何ら変わるものではありません。これからその形式、在り方等々について、考えてまいりたいと思っております。これは、沖縄の県民の方々の負担、(在日米軍)専用(施設・)区域の7割が集中しているということ、そのことを我々は忘れてはなりません。いかにして負担を軽減するか。それは、海兵隊の移転であり、訓練の移転であり、あるいは、いろいろな、あってはならない事故・事件、そういうものに対する、アメリカと共に、そういうものの撲滅に向けて取り組むという真剣な営みであり、そして土地の返還であり、ということで、沖縄の方々が負っておられる負担というものを本当に減らしていく。それは、日本全体がその思いで、向き合っていかねばならないものだと思っております。(日米)地位協定について、私自身、(防衛庁)長官の時に、沖縄国際大学にヘリが墜落するということがありました。その以前から、(日米)地位協定の在り方について、自分なりに考えてきております。それは日米安全保障条約と一体のものですので、それだけ取り出して議論することは、決して十分な議論にはなりませんが、これを自由民主党全体として取り組んでいかねばならないし、そしてまた自民党のみならず、多くの方々の御意見を承りながら、これは沖縄だけの問題ではありません。日本国における外国軍隊の法的な地位というものについて、他国とのいろんな比較検討も行いながら、党全体で、あるいは政治全体で議論を進めてまいりたいと。兎(と)にも角にも、沖縄の負担をいかにして減らすかということの中に、(日米)地位協定の改定ということがあるのであって、我々として、本当にそのことに真剣に取り組んでいかねばならないと考えておるところでございます。以上です。

(今年5月の自民党・西田昌司(しょうじ)参議院議員のひめゆりの塔をめぐる発言以降、沖縄戦の歴史認識に関する議論があるが、沖縄戦で沖縄が本土防衛のための「捨て石」にされたという点、「軍隊は住民を守らない」という教訓についての総理の認識について)

 先ほど申し上げましたが、国民保護法制、いわゆる有事法制の中に、戦場に民間人があってはならないということです。もちろんその大前提として、戦争があってはならないということがありますが、そういう状況になったときでも、決して民間人を戦場に置いてはならないということであります。その教訓というものはこれから先もいかしていかなければなりません。それはシェルターの整備もそうです。あるいはいかにして安全に迅速に避難できるか、それに誰が携わるかということもそうです。戦場に民間人が置かれて、そして非戦闘員でありながら、それに巻き込まれるというような悲惨なことは、戦争してはならないということとはまた別個に、そういうことは決してあってはならないという、法制もそうですし、運用もそうですし、そのことは不断に検討していくということに変わりはございません。

(明日出発予定のNATO(北大西洋条約機構)首脳会合への出席を見送るとの報道が出ているところ、事実関係について)

 現在検討中でありますが、先般のカナダ・カナナスキスのG7において、G7の国のみならず、多くの国々と直接意見交換をし、議論をする機会もございました。今回のハーグにおける会合はIP4と申しますが、韓国、日本、オーストラリアそしてニュージーランド、これが参加する会合というものがメインでございましたので、そういうような参加国の出席状況ということも併せて、よく検討しながら結論を出してまいりたいと思っておるところでございます。

(今回のひめゆり訪問というのは、西田議員の発言があって計画したものなのか、それとも(防衛庁)長官時代の思いがあって今回訪ねたのか、どちらなのか)

 私自身、沖縄に何度も訪れる機会がありましたが、ひめゆりを訪ねたことはしばらくありませんでした。機会があれば来たいと、そして、初めて来たときの、何度も同じことを申しましたが、あの粛然たる思いというものを自分の中で取り戻し、不戦の誓いであり、そしてまた、いかにして民間人、国民を守るかという思い、それをもう一度新たにしたいということであります。常に常に、ここを訪れたいと思ってまいりましたが、なかなか沖縄を訪問するときは、講演であったり、あるいは選挙のお手伝いであったり、あるいは現場の視察であったりということで、今日まで機会がない、もう一度来たいという強い思いに基づくものでございます。

(昨日の東京都議選の結果、自民党が過去最低の議席数となったが、総裁としての受け止めと、責任の在り方について)

 非常に厳しい御審判を頂いたと思っておりますが、厳しい中にあって、一生懸命お支えをいただいた方々、一生懸命戦った候補者、そして投票いただいた方々、そういう方々に、心から厚く御礼を申し上げなければいかんと思っております。この結果の分析というのがすぐにできるわけではありませんが、我々として、どのような訴えが届かなかったのかということをきちんと分析をして、今後にいかしていかねばならないと思っているところでございます。

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