群馬県訪問等についての会見

更新日:令和7年6月7日 総理の演説・記者会見など

(今日、地域の拠点となるような民間施設や地域活性化に向けたまちづくりの取組などについて視察したが、その所感と、地方創生やまちづくりにおける官民連携をどのように促進していく考えか)

 「地方創生2.0」において、「1.0」から10年たった。人口の減少に歯止めがかからない、東京一極集中に歯止めがかからない、中心市街地の衰退に歯止めがかからない、どっかにいいモデル、参考になるモデル、普遍化するモデルはないだろうかということで、いろいろと研究もしてみた、やっぱりそれは、前橋にそのモデルがあるよっていう話を聞いたんで、実際にそこで取り組んでおられる方々、本当に共感できる取組なので、やっぱり実際に見てみなきゃいかんねと思って、今日、皆さん方にお手間をかけて、お邪魔をしたような次第であります。やはり、いつも私が言うんだけども、やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、全然無関心の市民、これが三位一体になると、絶対、地方創生っていうのはうまくいかない。ここは、民間が頼りっぱなしではない、行政がやりっぱなしではない、市民も一緒にやろうということ。また、別の言葉を使えば「産官学金労言」、そういうものの組合せが実にうまくいってるというので来てみました。それを実感した次第でございます。
 民主導の地方創生の取組なんですが、やはり、ロールモデルとなる、そういうようなネットワークの形成について議論して実現すると、そのための会議体、名前はまだ決まってないけど、それを、総理大臣の下にそういう会議体を立ち上げて、こういう、うまくいってる成功例とまではまだ言えないのかもしれないけど、そういうものをなるべく普遍化していくような、そのための会議体を作りたいなというふうに思っております。
 また、街の整備あるいは街をどう管理していくかというエリアマネジメントって言葉があるんですけど、なかなかこれは実現できていない。エリアマネジメントって、結構、ニューヨークなんかうまくいってるんですけども、日本におけるエリアマネジメントをどうするかっていうことは、法改正も視野に入れながら、この前橋の例も参考にしてやっていきたいと思っております。
 これは、前橋に限ったことではないが、事業承継をどうするか、跡継ぎさんいないよねってことはもう全国どこでもいえるお話なので、この後継ぎさんをどうやって作っていくか、そこは商工会議所さんや商工会さんの果たされる役割も大きいと思いますが、これは事業承継税制を含めて、この在り方について、更に具現化をしていきたいと思っております。
 また、教育が果たす役割、街中に学校を作りましょうっていう話があって、どこでも中心市街地はドーナツ化現象みたいなことで人がいなくなっちゃうってことなんだけども、地方創生における教育の果たす役割、その地域におけるいろんな地域学みたいなもの。そしてデジタルが果たす役割、やっぱりここは本当に便利な街だよね、そしてこどもたちが愛郷心がある街だよね、そして、その地域から、前橋から、群馬から、新しい日本を創ろうね、そういうような教育のまちづくりということも拝見をし、いろんなことを教えていただいた次第でございます。これは、公教育の重要性ってこともありますが、同時に、私教育の独自性っていうこともあって、そのバランスを保ちながら、教育を中心としたまちづくりというものも学ばせていただいて、ありがたいことだったと思っています。それで、今、最終的に取りまとめ中ですが、「(地方創生2.0)基本構想」、これに、今日、前橋でいろいろと見たこと、教えてもらったことを反映できたらいいなっていうふうに思っております。第1問目は以上です。

(赤澤大臣は、日本時間の本日、米国のベッセント財務長官、ラトニック商務長官と、それぞれ会談し、議論が進展した一方で一致点が見いだせていないと記者団に説明したが、総理としての受け止めについて、また、G7に合わせて日米首脳会談を開き、関税について議論する意向があるか)

 これは赤澤さんが「ゆっくり急ぐ」ってことを言いましたね。それはやはり、国益というものを最大限に反映するという意味で、早ければいいというものではないということだと思っています。しかしながら、一体どうなるんだろうということで、これは、群馬の自動車関連産業もそうなんだけれども、どうなるんだろうっていうのは、いろんな御不安もあるだろう、資金繰りもあるだろう、やはりこの結論というものは早いに越したことはないんだけど、ただ、急ぐあまり国益を損じることがあってはならないというのは当然のことであります。赤澤さんも、毎週のように、今アメリカに行って、財務長官、商務長官、あるいは通商代表、そういう方と相当長い時間、会談をしていますから、当然、前進はしています。だけども、完全に一致するというところまではいっていない。だけども、この長時間の濃密な会談ということは、中身を今、申し上げるわけにはいかないが、共に国益を懸けた、本当に真剣勝負の議論が行われているということは承知をいたしております。
 私として、めどとして、間違いなくトランプ大統領と対面でお目にかかるのは、サミット、G7ということになりますが、そこでお目にかかるまでに一定の前進があればそれでよろしい。なければないで、国益を犠牲にしてまで急ぐつもりはないということでございます。相当に詰めた、濃密な議論が、国益を懸けて行われているということだけは申し上げておきます。

(先ほど中央通りのcommでの意見交換の中で、「北関東と聞いただけで何か怖そう。群馬県と聞くと怖い人がたくさんいそう。」あと、「女性が強そう」といった発言があったが、その発言の真意について)

 真意も何も、それはよく言われますよね。「かかあ天下とからっ風」っていうのは、みんなが知ってることだ。それは、そういうことを言われている。だけど、来てみると違うよねってことが、たくさんあるじゃないですか。やっぱり来てみるってのは大事なことだよねって思っている。それは我々、山陰地方も一緒で、(「山陰」という)字からすると、なんだか山の陰らしいよみたいなことがある。だけど先入観を持ってはいけないってこと。実際に来てみる、話してみる、接してみる、そういうふうにしてイメージを変えていって、それをまた全国に広めていく。それが、ネガティブな言葉であって、それがポジティブに変換するってことで得られるものって、ものすごく大きいと思っています。だから群馬って、来てみると、本当に、なんだろうな、なんて言ったらいいんだろう、細やかな、本当に気遣いのある、そういうところだよねっていう。やっぱり、私、群馬って結構、いろんな方とお付き合いはあるんだけれども、来てみると全然違うねってことで、やっぱりそれぞれの地域に行ってみるということの大事さを、改めて感じるところでございます。

(その発言は、地域差別や女性差別には当たらないという考えか)

 ですから、そういうのが変わっていかなければいけないってことですよね。だから、そういうふうに言われていることがいっぱいあるじゃないですか。で、差別というよりも、それは、女性が芯が強いよねっていう意味で言われている。何とか天下っていうのはそういうことじゃないでしょうか。ネガティブな響きじゃなくて、女性が芯が強くて、地域を支えてるっていう意味合いでしょうけれど、そこに差別という意識は全くありません。女性が強くて芯が強いよねっていうことだと思います。あるいは「赤城の山も今宵限り」っていうのがありますよね。それは、国定忠次っていうのを知ってらっしゃるかどうかわかりませんが、そういうようなイメージってのがある。だけども、そうであるがゆえに、その真実を知り、そしてまたそれを反転させてプラスに持っていくということで、そこに差別的な感じっていうのは全くない。芯が強いということであり、義理人情に厚いということを申し上げているだけのことでございます。

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