米国の関税措置に関する日米協議についての会見
(関税交渉をめぐり、赤澤大臣がベッセント財務長官と2回目の会談を行ったが、赤澤大臣からの報告内容及びその評価について、また、赤澤大臣が現地でのぶら下がりで、6月中にも合意の可能性に言及したが、今回の日米交渉について、日本側の目的である、一連の関税措置を見直すというメッセージはアメリカと共通認識ができたと考えているか、日本政府として、今後どのように交渉を続けていくか)
赤澤さんが、日本時間で言えば今朝の6時から約130分間、かなり長い時間、ベッセント(財務長官)、ラトニック(商務長官)、グリア(通商代表)、3人の閣僚・代表と、相当に突っ込んだ議論を行ったということは、会談終了後、報告を受けたところでありますし、(赤澤)大臣が現地で会見をしたとおりであります。そこにおいて、アメリカとして、従来の考え方を述べ、我々としては、この関税措置の撤廃ということ、これは全く変わっておりません。中身については、とにかく、貿易を拡大するということ、そして非関税措置、経済安全保障面、そういうような協力について、今後、更に具体的に話を詰めていきたいということであります。中身の詳細は申し上げられませんが、そこにおいて、建設的な、突っ込んだ議論が行われた。しかしながら、なお、一致点というのは見いだせる状況には今のところなっていない。しかし、非常に前向きな、建設的な議論であったというふうに報告を受けております。
時期については、これは交渉事ですから、いつ頃妥結の見通しだということについては、それは赤澤大臣も明確には申し述べていないはずであって、我々としては、これから先、日本の考え方というものについて明確に述べながら、先方からいろんな指摘がある、我々もいろんな指摘がある。閣僚同士でやってるわけでございますので、これも(赤澤)大臣が現地で述べていたと思いますが、今後、事務レベルで詰めていき、次の閣僚の交渉に臨むということに変わりはございません。
(赤澤大臣から6月中の合意というような言及も一部あったが、日本政府として、改めて、一連の関税措置を撤廃するという、求めている点、アメリカ側には伝わったというふうに認識しているか、6月に合意した際に、この関税措置の撤廃というのも併せて合意されるのか)
そのことについて、赤澤さんが明確に申し述べたとは、私は承知をいたしておりません。これはなかなか名言と言えば名言なんだが、「ゆっくり急ぐ」ということなのであって、早ければいいというものではない。我々として、我々の国益をきちんと主張しながら、そういうものを譲ってまで早く妥結をすればいいというものではない。お互い国益を懸けて交渉しているので、そこは一致点を見いだすために最大の努力をお互いにしていくということであって、時期について言及をすべきことであるとは思っておりません。それは、早くに越したことはないが、しかしながらその中身が、早いことを優先する余り、国益を損なうものであってはならないというのは当然のことでございます。