生成AI集中講座受講及び若手AI人材との車座についての会見

更新日:令和7年4月26日 総理の演説・記者会見など

(今日、東京大学大学院の松尾教授から、生成AI(人工知能)について講義を受け、実際に生成AIの学習機能を体験したが、その所感について、また、松尾研出身のスタートアップの経営者らと車座で意見交換も行ったが、具体的にどのような意見や要望が出たのか、あわせて、今回聞き取った意見を、どのように政策に反映させていくのか)

 本日は、松尾教授の研究室で、AIについての講義を受け、そしてまた実際に、AIの演習というか、私、あるいは5人の大臣(あべ大臣、中谷大臣、平大臣、赤澤大臣、城内大臣)と一緒にさせていただきました。それぞれの大臣が、それぞれの分野で、AIについて学ぶことはあるのだけれども、これだけ多くの閣僚が一遍に学ぶっていうのは、非常に意義のあることだったと思っています。AIというものが一体どういうものなのか、そして、これが世の中をどう変えるか、そして日本が世界の中でどういう立ち位置にあるか、これから何をしなければいけないかということについて、非常に学ぶことが多かったと思っております。我々として、これから先、人口が急激に減っていく中にあって、いかにして日本を発展させていくかというときに、AIが果たす役割は非常に大きい。そして、それに対して我々として、世界で最もAIの開発がやりやすい国ということにしたいと思っています。これは掛け声だけではなくて、ほんとに世界で最もAI開発が進んでいる国にしたい。それは決して容易なことではないけれども、城内大臣を中心に、これはやっていきたいというふうに思っておるところでありますし、同時に、最も使いやすい国にしたいと思っています。そして、それを地方創生にいかしていきたいと思っています。非常に、閣僚がこんな事を言っちゃいかんのだけれども、勉強になったというか、目から鱗(うろこ)というのか、そういうような一日であったと思っております。本当にありがとうございました。

(AIに関する政策について、今後、具体的にどのように進めていくか)

 すみません、正確を期すためにちょっと朗読調になります。いくつかありますが、まず、急速にAIが進歩していると。昨日と今日どころか、朝と夜で違いますみたいな、ものすごいスピードで進化をしているわけですね。今、国会で審議中でありますが、AI法案というものを早く成立をさせると。イノベーション促進と、これリスクもありますんで、リスク対応を両立させながら、先ほど来、申し上げているように、世界で最もAIを開発、そして活用しやすい国ということを目指してまいりたいと思いますし、このような私どもの姿勢というのは、AI半導体分野の世界のトップ企業でありますNVIDIAのジェンスン・フアンさん、あるいはAMDのリサ・スーさん、AWS(Amazon Web Services Inc.)のマット・ガーマンさん、私もそれぞれ、お話をいたしましたが、賛同も受け、日本への大規模な投資というものを表明してもらっているところであります。私どもとしても、ラピダスへの支援を始めとする半導体・AI分野において、7年間で約10兆円という公的支援を行うということでありますし、今後10年間で官民投資は50兆円誘発したいというふうに思っております。半導体生産等に伴う160兆円となります経済波及効果というものを実現したいと思っておりまして、今のAIっていうのはパソコン・スマホに積まれているわけですが、これから先、最近、時々聞きますが、「フィジカルAI」って言いますね。実際にロボットにそれが搭載されて、いろんなことができるようなる。私も今日ビデオで先生から見せていただいた、洗濯物が畳めるロボット、すげえなこれっていう感じでありますが、そういうフィジカルAIの進歩というものが進んでいくだろうと思っています。これ、今の日本の課題である労働力不足というものに相当に大きく寄与するものでありまして、日本が強みを持っておりますロボティクス分野、そこにおける生成AIの基盤モデルを開発し、ロボットのオープンな開発環境の構築を加速させたいと思っております。また、AI用のデータセンターの国内整備の促進、計算資源の高度化、人材育成の加速、これに取り組んでまいりたいと思っています。いずれにいたしましても、豊かな生活、産業競争力、これを強めていくためには、AIの活用、燃料となるデータの利活用、これは必須の課題でありまして、医療、教育、産業、金融、各分野で有効活用されていないという御指摘もあります。今日、若いスタートアップの方々とも話をさせていただいたんですが、いろんな分野で、まだまだ活用の可能性が非常にあるということだと思っております。政府としても、一体となって、具体的な成果を早く、一つ一つ出すようにしてまいりたいと思っています、これが第1。
 第2は、AIを使って地方創生をどうするかということなんですが、「地方創生1.0」って、10年前に始めたものですが、その頃、AIなんて影も形もなかったわけで。今はAIっていうものは急速に進展して、AIを使った地方創生ということが、先ほど来、言っている人手不足の解消にも役立つと。あるいは、いろんな情報を発信する、第一次産業、農業・漁業・林業であり、サービス業であり、それの持っている可能性を最大限に引き出すということで、ものすごい意味を持っていると思います。あるいは、地方において展開をしている高専。これの持っている役割、これ非常に大きいと思っております。具体的には、それぞれ自治体向けのAI利活用促進に向けたガイドラインを作りますと、あるいは自治体におけるユースケースと好事例の普遍化、あるいは自治体や企業などの調達の担当の人をお招きした高専・大学などのスタートアップとのマッチングイベント、関連する規制改革などにより、地方でスタートアップを生み出し成長させるためのエコシステム、というようなことで、やることは山ほどあります。ですから、日進月歩のAIの技術を進めていくためにも、いろんな規制とか、慣習とか、あるいは因習と言ってもいいかもしれない。そういうものは取り払っていかないと、このスピードについていけないということが起こりますんで、気をつけて、私ども政府として、取り組んでまいりたいし、時間は待ってくれないということをよく認識しております。以上です。

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