第3回国連海洋会議サイドイベント 持続可能な海洋の実現に向けた社会協働と国際連携 石破総理ビデオメッセージ
日本国内閣総理大臣の石破茂です。この度、フランス政府及びコスタリカ政府のリーダーシップの下、「第3回国連海洋会議」がフランスのニースで盛大に開催されておりますことを心よりお慶(よろこ)び申し上げます。日本国政府といたしましても、海洋の保全と持続可能な利用に関する国際的な連携が一層強化されるよう、この会議の成功に向け、尽力をいたしてまいります。
海洋は、魚介類を始めとする多様な生物の生息域であり、また、海運による経済活動の場でもあり、さらには、再生可能エネルギーの創出といったイノベーションの舞台でもあります。四方を海に囲まれた日本は、海洋の保全と持続可能な利用を通じて経済振興を進める「海洋立国」として、アジアの国々、世界の国々に範をお示しし、国際連携をけん引できるよう、引き続き、取り組んでまいります。
本サイドイベントに御列席の皆様には改めて申し上げるまでもありませんが、海洋をめぐっては、水産資源の枯渇、地球温暖化に伴う海水温上昇、環境汚染など様々な課題が存在しております。そのことが、海洋から恵みを受けてきた地域社会、地域経済にも大きな影響を及ぼしております。
海洋を極力健全な状態で次の世代に引き継いでいくことは、我々の世代の責務であります。日本国政府は、真の「海洋立国」としての役割を果たしていけるよう、民間セクターの企業や専門団体とも十分に連携しながら、海洋をめぐる課題の克服に向けて取り組んでまいります。そうした中で、今般、「日経ブルーオーシャン・フォーラム有識者委員会」において、水産資源、気候変動、資源循環、金融、地方創生といった5つの重要なテーマを対象に議論が行われ、海洋を保全し、ブルーエコノミーを推進する戦略が全世界に発信されることは大いに歓迎すべきものであり、今後の更なる展開についても期待をいたしております。
私自身、「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」、いわゆる「オーシャン・パネル」のメンバーとして、共同議長を務められるストーレ・ノルウェー首相及びウィップス・パラオ大統領を始めとする各国の首脳の皆様方と共に、海洋の保全と持続可能な海洋経済の実現に尽力してまいります。
今回の第3回国連海洋会議サイドイベントが、「日経ブルーオーシャン・フォーラム有識者委員会」の御提言の幅広い共有も通じて、海洋の保全と持続可能な利用の実現に向けた実りあることを心よりお祈りし、私の御挨拶といたします。