東南アジア地域プログラム10周年記念式典 岸田総理スピーチ

更新日:令和6年5月2日 総理の演説・記者会見など

 コーマン事務総長、そして、御列席の皆様、私も外務大臣として参加した2014年MCM(OECD(経済協力開発機構)閣僚理事会)において設立されたSEARP(OECD東南アジア地域プログラム)がこの10年間で大きく飛躍をし、節目となる本年、インドネシアの加盟ロードマップが採択され、さらにタイが加盟申請したことを心より歓迎いたします。
 世界の成長エンジンである東南アジアとの関係強化は、OECDスタンダードが今日の世界経済において実効性・普遍性を維持・向上させていくためにこれまで以上に重要です。また、気候変動を始めとするグローバルな課題に対処するためには、経済のみならず国際社会の重要なアクターとなった東南アジアの参画が不可欠です。
 東南アジアにとっても、OECDとの連携強化は民間投資を呼び込む環境整備につながり、同地域の強靱(きょうじん)な発展・成長に役立ちます。
 持続可能な未来を共に創るという大きな目標のために、OECDと東南アジアの双方が手を携え、SEARPを新たな段階に進めていかなければなりません。
 OECDの高い政策提言能力は、各国の国内改革のニーズに合致をし、その実現に貢献して初めて意味を持ちます。日本は、信頼できるデータと分析というOECDの強みを東南アジアの持続可能な成長に繋(つな)げるため、「日本OECD・ASEAN(東南アジア諸国連合)パートナーシップ・プログラム」を立ち上げます。今後3年間で800万ユーロ規模の資金を動員して、民間投資、連結性、持続可能性、デジタルといった分野で、OECD専門家の派遣、調査・分析、研修などのプロジェクトを実施いたします。
 また、その一環として、JICA(独立行政法人国際協力機構)・OECD間の協力の枠組みを立ち上げ、開発協力を通じたOECDスタンダードの一層の普及にも取り組みます。
 こうした取組を通じて、SEARPのこれからの10年の実行力を一層高めつつ、その先の持続可能な未来の共創に向けて、皆様と共に取り組んでいく所存です。ありがとうございました。

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